『焼けた森の中の人物たちによる構成』
『ミロ展-日本を夢みて』へ行って参りました。
( https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_miro/ )
現在、渋谷Bunkamura ザ・ミュージアム で開催中のミロ展(〜4/19まで開催。)
春休みになると大変混雑すると予想し、早めに行って参りました。
といっても、既になかなかな混み具合でしたが。
3月の平日限定で、
写真撮影可の作品がいくつかあったので、
しっかり撮影させていただきました!
上の画像は
『焼けた森の中の人物たちによる構成』です。
グレーの引っ掻かれた背景に、個性的な色彩と形が並びます。
ミロというと、ピカソ、ダリ、と並んで
スペインの三代巨匠の一人、と言われるそうですが、
ジャポニズムブームの中に生まれたミロは、
早い時期から日本文化への興味があったようです。
それが顕著に表れているのが、この作品。
『アンリク・クリストフル・リカルの肖像』
こちらは、
当時アトリエをシェアしていた親友リカルを描いており、浮世絵コレクターで日本びいきだったリカルを表すように
背景に浮世絵を貼り付けています。
ミロの絵画を全体を通して観てみると、
カラフルな色として、赤・黄・青・緑 をアクセントとして効果的に使用しており、
ベースの色にはグレイッシュな色やブラック等を自由に用いていてる印象があります。
そして、
リズミカルな構図、線の細さや躍動感、素材感、文字との融合、が見られます。
日本にも大きな影響を受け、
1966年の来日後には、書を思わせる作品を残しています。
『絵画』
書道に大きく影響されているのが明らかですね。
撮影はできなかったのですが、
他に印象に残ったものとしては『マジョルカ・シリーズ』がありました。
ご興味のある方はぜひ検索してみていただきたいのですが・・・
同じ絵に対して、
・黒いアウトラインだけの版
・色も入っている版
・色のみの版
・白黒反転させた版
の4つが展示されていました。
このように分けれられていることで、
何をどのように構成していっているのかが大変わかりやすく感じました。
これを80歳の誕生日に発表された、とのことなので、
感服すると同時に
私もある種勇気をいただけました。
いつも、展覧会に訪れると気になるのが、
絵画の背景の色です。
今回は、青が多く使われていました。
背景にどのような色があるかで、みえ方も大きく変わります。
『アンリク・クリストフル・リカルの肖像』
については、絵画が全体的に黄色っぽいので、
その反対色である青を背景に使うことは、絵画をより一層引き立てることになり効果的です。
では、最後に印象的だった、こちらの絵画でしめさせていただきます。
『ゴシック聖堂でオルガンを聞いている踊り子』
以前のブログ( https://www.loiro.jp/2021/03/18/便利なカラーアプリ/ )で、
「便利なカラーアプリ」をご紹介させていただきましたが、
本日も、「便利なカラーアプリ2」と題しまして、
インテリアの色出しが苦手な方、
つまりインテリアのカラーコーディネートに自信が無い方にオススメのアプリをご紹介いたします!
Adobe Capture
という無料アプリです。
起動するとすぐ下のような画面が立ち上がります。
写真は、今、目の前にあるカメラ越しのものでも、フォルダに入っている以前の写真でも選べます。
今、カラーの所が青くなっていますが、「カラー」を選ぶと主な色を5個ピックアップしてくれます。
自分で◯を動かしてカラーを選択することもできます。
例えば、この5色の中で、ペールグリーンを選択すると
このように、色出しされます。
(上画像は、CMYKを選んでいます。)
気になったインテリアがあった場合、どのようなカラーコーディネートがされているのかを
簡単に確認することもできますし、
ご自身でスタイリングしたインテリアをプレゼンする際のカラースキーム作りにも役立ちます。
また、画面の下、「カラー」ではなく「look」を選択すると
画像の中にある全ての色が一覧として表示されます。(カラースキーム)。
こちらの表示は凄まじい色数ですね。
ですが、どのようなトーンの色がどのくらいの配分で使われているか見ることができますよね。
他にも様々な機能があるのですが、
空間のカラー把握、に役立ちそうな機能はこちらになるかと思います。
無料アプリなので、気になる方は試してみてください!
インテリアコーディネートのお仕事をした事がある方なら必ず知っているであろう
ウィリアム・モリス。
自然の樹木や草花をモチーフにした壁紙といえば、ウィリアム・モリスがその代表です。
私も今までに数々のウィリアムモリスデザインの壁紙を選定しており、
イギリスの非常に有名なデザイナー、芸術家という認識でしたが、
詩人、哲学家、政治思想家でもあリました。
この独特な深みと色使い、伝統の中に新しさを感じるデザインはウィリアム・モリスならではかと思います。
ウィリアム・モリスの経歴について興味深かったのは、
最初、聖職者になるために学校に通っていたものの、その後建築家を志ざし建築事務所に入ります。
そして、画家ロセッティに出会い門下生となり画家を目指すことに。
ただ、それも実らず、装飾美術に身を捧げる決心をした、というものでした。
これらの全ての経験は、この素晴らしいデザインに生かされているのだと思います。
ウィリアムモリス、Morris&Coの
壁紙として使いやすい色合いのものは、、
Lilycolor壁紙より
このような、柔らかい色合いでベージュとなじみやすい雰囲気のものかもしれませんが、
私の個人的なオススメは、
Lilycolor壁紙より
このようにダークな背景に植物柄の壁紙です。
今年の秋冬トレンドにも、このダークな背景に柄のあるタイプは適していると思います。
このタイプの壁紙の良いところは、家具の種類に関して幅広く選べるところです。
淡い色のものの場合には、ナチュラルやシャビーなタイプの家具、となりますが、
こちらの場合には、ナチュラルにしても柄が植物柄なので大丈夫ですし、
色が濃く伝統柄の印象もあるので、クラシックな家具にも合います。
また、インダストリアルな家具を置いてもクラフト感のあるこの壁紙とマッチします。
ウィリアム・モリスは
アーツアンドクラフツ運動を主導したことでも有名です。
産業革命の結果による大量生産で粗悪な商品が溢れた状況を批判し、
今一度、中世の手仕事に立ち帰り、生活と芸術の統合を主張しました。
モリス商会の商品は結局高価になってしまい、なかなか理想通りにはいかなかったようですが、
思想としては意義のあることでした。
生活と芸術の統合とは、生活の中に華美な装飾品を持ち込むことではなく、
日々気持ちよく丁寧に暮らすこと、それが叶えられる日常のモノやコトを大事にすること
そうすれば生き方は美しくなっていく、、、美しくなるというのは、快適に幸せに暮らせる、という意味で。
まだまだ言葉足らずですが、そういったことなのではないかと思います。
私たちも、家で過ごす事が多くなった今、
間に合わせのものではなく、気持ちよく過ごせるモノたちと
暮らしていきたいですね。
「人間は醜い、されど人生は美しい」
フランスの画家、トゥールーズ=ロートレックの言葉です。
最近、『Lady Marmalade』という曲を改めて聴く機会があり、
(映画『ムーラン・ルージュ』(2001年。。。20年前!?という驚愕。。。)の主題歌です。)
ロートレックの事を思い出しました。
このポスター(『ムーラン・ルージュのラ・グリュー』1891)は、
パリにオープンするキャバレー『ムーラン・ルージュ』の店主から依頼され
ロートレックが描いたもの。
私はこのポスターのコピーを
一人暮らしを始めた時に部屋に置いていました。
その時は何となくお洒落だな、程度の理由で。
その後、三菱一号館美術館へ行き、
(ロートレックの作品が収蔵されています。)
ロートレックの人生や、この言葉を遺した意味を知りました。
ロートレックは名門貴族の御曹司として生まれましたが、
10代前半で両足をそれぞれ骨折し、両足の発育が止まってしまいます。
胴体は正常に発育し、成人した時の身長は152cmだったそうです。
父からは蔑まれ、ロートレックは絵を描くことに打ち込みました。
体に障害を持ち、周りから嘲笑された彼は、財力はあったため、
夜の歓楽街に入り浸り、踊り子や娼婦たちを描きました。
彼は、ゴッホと出会うことで日本の浮世絵の影響を受けています。
左右非対称な構図や曲線のライン、黒い影など、印象的です。
『ディヴィアン・ジャポネ』(1893)
また、まさにこの時代はアール・ヌーヴォーの時代ですが、
その代表でもあるロートレックから、色彩の流行を感じることができます。
ロートレックの絵画の色の特徴は、
黒×オレンジ×イエロー(くすんだ色調)です。
ロートレックのオレンジを、ロートレック・オレンジと呼ぶそうですが、
この大胆な色使いでありながら、アンティーク感がありお洒落な雰囲気なのは
この褪せた・くすんだ色調(トーン)がポイントかと思います。
黒にただ鮮やかなオレンジやイエローを合わせると、全く違った印象になりますよね。
色調(トーン:色の鮮やかさと明るさをまとめた関係性)は表現の上で大切な要素であることがわかります。
ロートレックは、退廃的というか破滅的な生活を送り、
36歳という若さで亡くなってしまいます。
彼は、たくさんの踊り子や娼婦を描いていますが、その中に自分も重ね合わせ、
モンマルトルの人物を醜くデフォルメする等して描きました。
久々に聴いた曲からロートレックの事を思い出したので、
本日のブログといたしました。
以上、
「ロートレックと色」でした。
2021年も中盤に差し掛かろうとしていますが、
人気のインテリアスタイルにはどのような変化が見られているでしょうか。
昨年から、お家時間を過ごすことが多くなった方が多いと思います。
そのため、2021年は昨年から引き続き、
テレワーク用にワークスペースを作ったり、
お庭やベランダを整理し、家庭菜園や植物を新たに植えたりする方も増えているようです。
このGWもホームセンターは大変混雑していたということでした。
昨今は、インダストリアルやシャビーなインテリアが数年間、
もはや定番と言ってよい程インテリアスタイルに浸透してきましたが、
ここへ来て、またリゾートスタイルが復活してきそうです。
というのも、現在私たちは海外旅行へ行くことはなかなか出来ません。
ですが、家で過ごす時間が長くなったので、いかに家で快適に過ごすかを考える様になりました。
インテリアに植物を取り入れるのは定番ですが、
今後はさらに自由に日常を楽しむようなアイテム、特に雑貨等でリゾート感を取り入れ
遊び心のある奔放なインテリアにチャレンジする方が増えそうです。
(zoco home "Discover The Interior Design Trends 0f 2021より)
近年、再度注目されているラタンの家具や照明器具と、ボリューム感のある植物で
リゾートスタイルが出来上がりますね。
私自身もちょうど気分的に少し非日常を感じるようなリゾート感覚を味わいたかったので
雑貨等でこの夏取り入れてみようと思っています。
みなさんは、緑色の様々な色名、いくつぐらい挙げられますか?
新緑の眩しい季節になりましたよね。
私は日々の草木の成長に驚かされています。
一口に「緑」と言っても様々な緑色がありますが、
本日は、カタカナ色彩(ピーコックブルー・エメラルドグリーン等)ではなく・・・
日本の様々な緑色について見ていきたいと思います。
日本の色名は自然の名前からとられているものが多いので、想像がつきやすいのですが、
下記の色名と右側の色のどれが対応するでしょう・・・。
答えは下記のようになります。
想像通りの色だったでしょうか。
各色については以下のようになります。
普段の生活の中で色について触れる時は
日本の色名ではなく、カタカナ色名で話すことも多いかもしれません。
改めて日本の様々な緑色を見てみることで、
新たな発見もあったのではないでしょうか。
今の季節だからこそ見ることができる自然の様々な緑色を、しばらく楽しもうと思います。
本日は、色が少し苦手かも・・・という方は特に必見のアプリをご紹介します!
こちら。
DICデジタルカラーガイド
というアプリです。
iPhoneに入れられるのでお手軽に使用できます。
もちろんPCにも入れられます。
詳細はこちらをご確認ください。
DICというと、印刷系なのですが、
建築・住宅業界の私たちにも参考になるツールがあります。
iPhone版でお見せすると、、
まず、こちらがトップ画面なのですが、
この右下のカメラの所をクリックすると・・
このような画面に切り替わるので、
写真を撮る場合には、「カメラ」
既に撮った写真から選ぶ場合には「アルバム」
を選択します。
すると・・・
このように画像が取り込まれるので、
色出ししたい箇所を指で触ると、
左のようにアップで色を選ぶことができます。
(あくまでも画像上の色出しなので、見た目の印象、
という形での利用方法になります。)
すると、選んだ色のDIC色が上に出てきますので、
そこから情報を見ることができます。
こちらは色のデータですね。
マンセル値も出ているので、
日塗工の色見本と照らし合わせることもできるかと思います。
DICの色名も確認することができます。
写真の色みにもよりますので、正確性というよりは、色の印象の確認、ということにはなりますが、
この様に色出しできると、参考になりますよね。
様々な建物や風景の写真をこちらで確認してみるのも発見や学びがあるかと思います!
ご興味のある方はぜひお試しください。
なりたい自分になるために色を使ったことはありますか?
よく、「色診断」というようなものが雑誌にあったりします。
下記のような質問に答えていき、辿り着いた色を「マイカラー」(あなたらしい色)
として身につけましょう!といったものです。
実は、その反対もあるのです。
私らしさ ⇨ 色
もあれば、
色 ⇨ 私らしさ
ということです。
もっとこうなりたい! こんな風に行動できればいいのに!
といった場合に、「色」に自分をサポートしてもらうのです。
「色」は野菜みたいなもの、と私はよく説明します。
足りない栄養を色々な色のお野菜、トマト、ブロッコリー、にんじん、などなど
をとって補ったりしますよね?
それと同じ感覚で大丈夫です。
「色」は好き嫌いに関係なく、自分に潜在的に働きかけています。
それを上手く活用してみませんか?
足りない色(栄養のようなもの)は
例えば下のカラーパレットを見た時に自分の目にパッと飛び込んでくる色です。
もしくは、
上記のカラーパレットの説明文を見て、
「もっとこうなりたいな」
と共感できることが書かれている色をその日、しばらくの期間、取り入れてみるのです。
その色の洋服や小物があればそれを身につけてみる、
カラーペンでメモ書きに色塗りしてバッグに入れておく、
色をただイメージする、
お野菜等の足りないビタミンより楽に摂取できますね笑。
ぜひ気軽に試してみてください!
CACAO MARKET銀座店 に行って参りました。
実際には歯科医院へ行った際に偶然見つけたのですが(笑)。
チョコレート大好きの私は、お店の雰囲気にワクワクしてしまいました。
お店の様子がこちら。
木目の雰囲気の中に、ダーコイズグリーンが印象的です。
ショップの紙袋もシャビーなターコイズグリーン系でした。
さて、ショップのだいたいの配色を見てみると以下のようになります。
ホワイトアッシュの木目、ブラウンの木目、淡く薄いシャビーなターコイズグリーンを使用したタイルに
所々ターコイズグリーンの棚が見えますね。
右に色相環を載せましたが、
ブラウン(オレンジを濃くするとブラウン)とターコイズグリーンは「対照色相」となっています。
対照色相とは、色相環の反対にある色相から少しずれた色同士の組み合わせ、と思っていただいてよいです。
この組み合わせにすると、お互いを引き立てる個性ある配色、印象的な空間になります。
印象に残りやすい配色、と言えるかもしれません。
ポピュラーなところだと、IKEAの看板も対照色相ですね。
ブラウンのみだと静かな空間になりそうですが、
ターコイズグリーンが入ることによって、楽しさの感じられる、
チョコレートのこっくりとした美味しさを感じるような空間に仕上がっているのかもしれませんね。
2月はバレンタイン。こちらのショップはパッケージも可愛いので
なかなかオススメです。チョコレートも美味しかったです。
京都が日本での本店だそう。
京都好き&チョコレート好きの私は
色々落ち着いたらぜひ京都にも行こうと誓ったのでした。。。
▼CACAO MARKET (HP & ONLINE SHOP)
第4の色覚をもつ女性は世界に2〜3%いるといわれています。
男性は4色型色覚は持ち得ない、と言われています。
なぜなら、女性が2つのX染色体を持ち、
またそのX染色体の中に、第4の錐体があることが判明しているからです。
(詳しいことは専門的になりすぎるので省きます。)
第4色覚を持っていると、通常の3色覚者よりも微妙な色差を弁別できる、と言われています。
分光感度は赤に近い錐体ということもあり、
様々な赤がわかる、と言われています。
今回、
12月に開かれた色彩学会の研究大会での報告で
第4色覚女性の視え方(推定)がありました。
通常の人よりも色を識別できる能力が高い、というのは
なかなか理解しづらいですよね。
なぜなら、私たちは自分の見えている色の世界以外を知らず、
自分よりも色を識別できる能力がどのようなものかを体験することはなかなかできないからです。
小寺イメージ研究室の研究によると、
第4色覚者は、黄色みを強く感じるとの研究結果が出たそうです。
(赤そのものの色を多く見分けるというよりも、様々な黄色みを感じることができるため
少し黄色に寄った赤も違う色として認識できる、といったことかと思います。)
露草と菫の視えが、挙がっていました。
何となくおわかりいただけるでしょうか。
左ではノペーっと単色に見えていたものが、
右では全体的に少し柔らかい色みになりグラデーションに見えていますよね。
細かい色の違いが把握できるため、陰影も細かく把握でき、繊細に色の違いを感じ取れることが伺えます。
なかなか自分自身では判断できないかと思いますが、
様々な色を見分けることのできる女性の方は
もしかすると第4色覚をお持ちなのかもしれません!
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