風土と色Part.3

岡山県高梁市。レトロタウン吹屋へ行って参りました。

 

さて、まずは早速どんな雰囲気なのか見て参りましょう。

 

 

 

街並みの特徴は、

 

赤銅色〜黄色っぽい色までの石州瓦(釉薬瓦)

白壁・なまこ壁・焼き板・地元赤土を使用した土壁

ベンガラ塗の格子

 

と、全体的に朱赤色を感じさせる町並みになっています。

 

 

吹屋は、江戸〜明治にかけて鉱山の町として栄え

江戸末期からはベンガラ国内随一の産地として名を馳せました。

 

ベンガラは硫化鉄からつくられる顔料ですが、

吹屋にはその原料となる硫化鉄鉱の鉱脈があったため大量に産出することができました。

 

現在では、この特徴ある町並みは

「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

 

 

 

実際、岡山市内から吹屋へ向かう道中、

かなり山道になり、人気もなく、本当にベンガラの町が・・・?と若干不安になりましたが、

着いてみてビックリ。

このベンガラの町の通りのみ、観光客の方達の姿が多く見られました。

 

私を車に乗せて連れてきてくれた友人も、ここだけ人がいてビックリしていました笑。

 

 

岡山といえば、倉敷。白壁土蔵なまこ壁、といった白黒の色彩を思い浮かべますが、

吹屋ではベンガラ色という赤土色の暖かい町並みをみることができます。

 

ただ、色を使用する、ということは、風景が乱れる恐れもあります。

それを色彩のガイドラインをつくることで美しい町並みを保全しています。

 

簡単に触れると、

外観の色彩は、落ち着きのある暖色系(赤・黄赤・黄系)で鮮やかさを抑えた色彩を基本としています。

その鮮やかさはマンセル値で指定されています。

出典:高梁市景観計画の手引き

 

白×黒のようなスッキリとした配色も日本的で素敵ですが、

 

ベンガラ色を中心とした温かみと色ムラの感じられる町並みもまた粋ではないでしょうか。

 

 

吹屋までは岡山市内からだいたい1.5〜2時間かかりますが、

ご興味のある方はぜひ訪れてみてください!